チームビルディング

心理的安全性を高めるために

2022年02月25日

心理的安全性を高めることが、チームビルディングがうまくいく上でとても大切なことだと実感していますが、難しい課題でもあるということを最近改めて感じます。

 

先日、とある企業の営業マンから「オンラインセミナーに申し込みだけお願いしたい」と連絡がありました。何名申し込みがあったのかをトラッキングしているということで、申し込みがなかったら「やばい!」らしいのです。


具体的にどう やばい のか本人もわかっていませんでしたが心理的安全性が低い状態で本当の課題を言えず、なんとか数だけでも誤魔化している状態です。

もしかしたら参加者全員がサクラで、オンラインセミナーをやっているかもしれません。
組織にとってもこのような状態は良い状態とは言えないと思います。

「一人も集まりませんでした」と言えない状況を作ってしまい、結果だけに注目して誤魔化そうとしている現状がその組織にある という事実に心理的安全性が大きく関係しているということはわかりますがこれをどう改善していくのかは本当に難しいなと思いました。

販売目標だけでなく、セミナーへの参加がどのくらいあったかなどきちんと評価するために行動評価に着目しているし、エリアごとに区切ってマネージャーとの定期的な1on1も実施していてマネジメントの人数も10名以下、定期的な勉強会もあり人材育成も行っており組織体制としてはとても良いです。

 

じゃあその営業マンに問題があるかというと、全体的に誤魔化しの雰囲気はあるようです。

 

評価して昇級制度があり昇進する。これは一見いいように見えるが長期的に見ると競争を生み出し、心理的安全性に影響するのではないかと思いました。
そんな時に読んで腹落ちしたのがこちらの論文です。学習する組織」の成熟度診断法」

 

今回の事例に当てはめると、
トラッキング=分析・追跡をし数字で指し示すことのみとされていた。
トラッキング=仮説たて、営業マンに伝え実行してもらう。その反応をフィードバックしてもらい、生産的な意見を交わす場をつくり・反対意見を探す場をつくる。
という幅広い解釈を持っていればこのような事態は防げたのではないかということです。

 

一つの戦略も生半可なことではうまくいかないし、なんのためにこれをするのかを多くの組織が十分な議論をしないまま進められています。私の会社も含めて。

 

具体的なビジョンを定めて経営者が語り、適切な褒賞を与え、社員教育を充実させ、評価制度を作っても、それがなんのためなのかを見失わないよう十分に議論をし、仮説をたて、実行し、その結果をみて、反対意見や都合の悪い意見を話す場・聞く場をつくり、本当にこの施策がこの会社に合っているのかを毎回見直すというプロセスが重要なんだということを改めて知ることができました。

 

日々経営をしていると、立ち止まりたくない場面や押し進めたい場面も出てきますが、一つひとつに向き合う覚悟が大事で、心理的安全性を高めるには、アイスブレイクしたり、旅行行ったり、飲み会したりそんなことじゃないんだよねと最近痛感しています。

 

 

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